以前、猫の毛柄と性格の関係について紹介しました。
正確には毛柄と性格の関係は分かっていませんが、ある程度の関係はあるだろうと言われています。
では、その毛柄はどうやって決まるのでしょうか?
子猫は、母猫と父猫の両方から毛柄に関する遺伝子を受け継ぎますが、その発生頻度は個体によっても異なります。
今回は、猫の毛柄に関する遺伝子について紹介します。
猫の柄と性格の関係については、こちら。↷
まとめ
- 毛柄を決める遺伝子は大きく9つある
- 遺伝には、優性遺伝と劣性遺伝がある
- 父猫と母猫の両方から1つずつの遺伝子を貰って子猫の柄が決まる
- 父猫は育児に参加しない事が多いので、毛柄のみで野良の父猫を特定するのは難しい
毛柄の決め方
毛柄を決める遺伝子には、優性遺伝と劣性遺伝があります。
優性・劣性と言いますが、優性は遺伝子として優れている、劣性は劣っているという意味ではありません。
優性遺伝
優性遺伝は、両親から受け継いだ2つの遺伝子のうち1つでも持っていれば、その特徴が現れます。
劣勢遺伝
劣性遺伝は、両親から受け継いだ2つの遺伝子のうち2つが揃わないと特徴が現れません。
そのため、優性遺伝に比べてその特徴の発生確率が低いと言えます。
毛柄を決める遺伝子
以下で、毛柄を決める遺伝子を9つ紹介します。
毛柄を決める遺伝子は100個以上あると言われていますが、以下の9種類でおおむね説明することが出来ます。
また、上から特徴が発生しやすい順に並べています。
遺伝子W
Whiteの頭文字Wで、全身を白くする遺伝子です。
優性遺伝のため、1つでもWの遺伝子を持っていれば、この特徴が現れます。
遺伝子O
Orangeの頭文字Oで、毛をオレンジにする遺伝子です。
茶トラはこの遺伝子を持っています。
遺伝子A
Agoutiの頭文字Aで、毛に柄を付ける遺伝子です。
縞模様のある猫の薄い部分の毛を良く見てみると、毛1本1本に細かい縞模様が入っています。
この模様の事を、アグーチと言います。
また、優性遺伝のため、1つでもAの遺伝子を持っていれば、この特徴が現れます。
遺伝子B
Brownまたは、Blackの頭文字Bで、毛を黒色にする遺伝子です。
優性遺伝のため、1つでもBの遺伝子を持っていれば、この特徴が現れます。
遺伝子C
Colorの頭文字Cで、ポイントカラーを作る遺伝子です。
ポイントカラーの描種は、シャム・バーミーズ・トンキニーズがいます。
メラニンを作りにくい特徴を持っており、耳先や足先など体温が低い部分は濃い色になります。
また、母猫の胎内は体温が高いので子猫は真っ白、高齢になり体温が低くなってくると色が濃くなります。
遺伝子D
Diluteの頭文字Dで、淡い色になる遺伝子です。
劣性遺伝のため、2つ揃わないと発現しません。
遺伝子T
Tabbyの頭文字で、縞模様を作る遺伝子です。
日本でサバトラと言われる柄は、マッカレルタビーと呼ばれるタビー柄の1種です。
また、優性遺伝のため、1つでもTの遺伝子を持っていれば、この特徴が現れます。
遺伝子I
Inhibitorの頭文字Iで、毛をシルバーなどの薄い色にする遺伝子です。
優性遺伝のため、1つでもTの遺伝子を持っていれば、この特徴が現れます。
遺伝子S
Spotの頭文字Sで、体の一部を白くする遺伝子です。
白黒のまだら柄の猫でも、白い範囲は個体によってさまざまで、しっぽや頭だけ黒い個体や逆に足先のみ白い猫もいます。
その他
猫の毛柄の遺伝は親の柄からすぐに分かるような単純なものではなく、親猫が両方黒猫でも黒猫以外が生まれる事もあり、きょうだいで毛柄が異なることも珍しくありません。
また多くの場合、父猫は育児に参加しないため、野良の環境下では父猫を把握するのは難しいです。
まとめ
- 毛柄を決める遺伝子は大きく9つある
- 遺伝には、優性遺伝と劣性遺伝がある
- 父猫と母猫の両方から1つずつの遺伝子を貰って子猫の柄が決まる
- 父猫は育児に参加しない事が多いので、毛柄のみで野良の父猫を特定するのは難しい
猫の毛柄を決める遺伝子は、主に9種類あります。
毛を白くする遺伝子Wは、最も特徴が発現しやすく、優性遺伝なので親猫のどちらかがW/Wの遺伝子を持っていれば、子猫は全員白色になります。
猫の毛柄は両親から受け継ぐものですが、発現していない遺伝子を受け継ぐこともあるため、野良の子猫の父親を毛柄だけで判断するのは難しいです。
猫の毛柄について知って、猫も人も快適に暮らせると良いですね!
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