猫を飼っていると、失敗をあくびや毛づくろいをしてごまかす様なしぐさを見たことがあると思います。
この行動自体は微笑ましいのですが、ごまかすのは恥ずかしいから?落ち込んでいるから?と不思議に思いますよね。
実は、この行動もれっきとした猫の習性です。今回はそんな猫の習性について、紹介します。
猫の他の習性については、こちら。↷
失敗をごまかすしぐさの理由
猫が何かに失敗して、ごまかすようにあくびや毛づくろいをするのは、その失敗とは全く関係のない行動をして自分を落ち着かせようとしている為です。猫自身は、恥ずかしいとは思っておらず、落ち込んでいる訳でもありません。
このような行動は、転位(てんい)行動と呼ばれています。
転位行動は、ストレスのサインで、不安や欲求不満を感じた時にこのような行動が見られます。
止めさせた方が良い?
転位行動は、猫の本能での行動なのでやめさせることは難しいです。
何かの失敗によってケガをした場合以外は、止めさせようとはせずにそのまま見守りましょう。
ただし、常に強いストレスを感じている場合にもこのような行動が見られるので、その場合はストレスの原因を探って対応する必要があります。
慢性的なストレスは、体調不良や病気の原因にもなるので注意しましょう。
具体的な転位行動の例
- あくび
- 毛づくろい
- 爪とぎ
- 口元や鼻を舐める
あくびは眠たい時、毛づくろいは体をきれいにしたい時にする行動というイメージが強いですが、自分を落ち着かせるためにする転位行動でもあります。
何の脈略もなくこのような行動をしていたら、猫はストレスを感じている可能性が高いので、周辺の環境や状況を確認してストレスの原因を探り、対処しましょう。
他の動物の転位行動の例
猫以外の動物では、下記のような転位行動が見られます。
ただし、これらの行動のすべてが転位行動というわけではないので、何かストレスを受けていないかを確認することが大切です。
人間
困った時やミスをした時に痒くないのに頭をかく、会議中にペンをくるくると回す、貧乏ゆすりも転位行動の一つです。
ストレスを感じた時に、自分もやっているなという人も多いのではないでしょうか。
犬
犬の場合は鼻を舐めたり、後ろ足で体をかく、足を舐める、物を噛むといった行動が転位行動にあたります。
ハムスター
ハムスターの場合は物をかじる、毛づくろい、回し車を過剰に回すといった行動が転位行動の一つです。
転嫁行動との違い
攻撃された猫が、より立場の低い猫を攻撃することを転嫁(てんか)行動と良い、上記の転位行動とは区別されています。この転嫁行動は、いわゆる八つ当たりです。
この2つの行動の違いは、転位行動は自分への行動、転嫁行動は別の猫に対して行動を向けている点です。
どちらもストレスに対する対処ですが、対象が自分か他かで区別します。
まとめ
- 失敗した時にごまかす様な行動は自分を落ち着かせるため
- このような行動は転位行動と呼ばれる
- 猫以外の人間や犬・ハムスターにも転位行動は見られる
- 八つ当たりは転嫁行動と呼ばれ、転位行動とは区別される
猫が何かに失敗した時に、それをごまかす様なしぐさは、受けたストレスを全く関係のない行動で落ち着かせようとしている行動です。
この習性を知っておくと、失敗した後のあくびや毛づくろいもまた違って見えると思います。
猫が転位行動をしてしまう様なストレスの原因となるものを出来るだけなくして、猫も人も快適に過ごせる環境を整えてあげたいですね!
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